「資産価値誇張」の疑惑を受けるドナルド・トランプ前米大統領が6日(以下、現地時間)、法廷の証人席に立った。トランプ前大統領は裁判官に向かって叫ぶなど、法廷内の言動が彼の「トゥルーソーシャル」投稿と同じだったとブルームバーグ通信など海外メディアは報じた。トゥルーソーシャルはトランプ元大統領が作ったソーシャルメディアプラットフォームだ。
この日、ニューヨーク市マンハッタン地方裁判所で開かれた民事裁判に弁護団を伴って現れたトランプは、裁判官は「偏向的」であり、裁判所は「詐欺」であり、この訴訟は「狂ったこと」と声を上げた。彼は自分ほど不動産をよく知っている人はおらず、銀行は自分たちが何をしているのか十分に理解していたと証言した。
これまでにレティシア・ジェームズニューヨーク州検事総長は、トランプがトランプグループの資産価値を年間最大36億ドルまで膨らませる方法で銀行と保険会社を騙し、より良い条件で融資を受けた疑いで起訴した。
ブルームバーグ通信は「証人席で自分の政治集会調子を投影した」とし、「彼は目に見えて怒っているように見え、時には質問に対して叫んだ」と状況を伝えた。また、「彼は自分のソーシャルメディアの投稿から引き出したような冗長で支離滅裂な言葉で繰り返し裁判官を怒らせた」と付け加えた。
今回の裁判には、トランプの富、名声、そして彼を大統領の座まで上げた不動産事業の未来がかかっている。裁判はテレビで中継されなかったため、米国国民は裁判の過程を見ることができなかった。
トランプ大統領はこの日午前10時、険しい顔で証人席に颯爽と歩いて行き、宣誓した。最初は質問に簡潔に答えたが、これは長くは続かなかった。裁判が始まってから1時間も経たないうちに、裁判を担当したアーサー・エンゴロン裁判官は、トランプ氏に「はいまたはいいえ」の質問に長々と冗長な答えをしたとして警告を出した。
エンゴロン裁判官は、トランプ側の弁護人であるクリストファー・キセに「あなたのクライアントをコントロールできるだろうか、これは政治集会ではない」と言った。しかし、トランプは裁判官の警告を無視し、裁判長は緊張に包まれた。裁判官はキセ氏にトランプ氏に法廷でどのように振る舞うべきかを伝えるよう求めたが、キセ氏は「米国の最高経営責任者(CEO)であり、また近いうちにCEOになる人物はルールをよく理解している」と主張した。
トランプ氏は、会社の財務諸表の作成に参加した事実を認めたが、検察官の追及に「私がやったことは何もない」と答えた。彼は検察の追及に「私がしたことは、会計士たちが財務諸表を作成するために必要なものを与えるように人々に話し、承認しただけだ」と答えた。続けて「私が(財務諸表を)見て、場合によってはいくつかの提案をしたこともある」と付け加えた。
トランプ氏は特に免責条項を挙げながら自分の無実を強調した。財務諸表作成において銀行が推定値に頼るのではなく、自己評価を行うことを促す免責条項があるため、トランプ氏自身と今回の事件は関係ないと繰り返し強調した。彼は「私たちはニューヨーク州検事総長から訴訟を起こされる必要がない免責条項を持っている」と述べ、免責条項があまりにも強力なので、他の人たちが準備した文書に署名したと弁護した。
また、彼は政治問題であまりにも忙しかったので、財務諸表作成に関与する時間がなかったとも述べた。トランプ氏は「我が国の安全保障を守るのに忙しくて2021年の財務諸表作成には参加しなかった」と述べ、中国とロシアの問題に集中したと強調した。これに対し、原告側のケビン・ウォーラス検察官は「参考までに、2021年には大統領ではなかったのではないかと思われる。
一方、トランプは91件の容疑で起訴され、4件の刑事裁判に直面しているが、法的問題はトランプの足を引っ張るどころか、むしろ彼の支持率を高めている。トランプ氏は最近、ジョー・バイデン米大統領との二国間対決の世論調査で相次いで勝利を収めた。海外メディアは、トランプ氏が今回の証言と刑事起訴などを積極的に活用してより多くの寄付金を集めると予想した。
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