引用:Pixabay
韓国で40年前、上司の指示で水に入ったまま息絶えた二等兵の遺族に対し、国家が約4億ウォン(約4700万円)を賠償するように裁判所が判決を下した。
27日、聯合ニュースによると、ソウル中央地裁民事合意46部(部長裁判官 キム・ヒョンチョル)は、軍で死亡したA氏の遺族5人が提起した訴訟で、「国家が遺族に合計4億1000万ウォン(約4700万円)を支払うように」と判決を下した。
予備兵だったA氏は1985年6月26日、全羅南道(チョルラナムド) 長城(チョンソン)にある陸軍部隊近くのダムで溺死した。当時、陸軍はA氏が肺結核を患っていた父親の体調を考慮して魚を捕まえるために水に入ったが、心臓発作で息絶えたと発表した。
遺族は約30年後に軍事死亡事故真相究明委員会にA氏の死についての再調査を要求した。入隊して1ヶ月しか経っていない二等兵が一人でダムに入ったという軍の説明が納得できなかったからだ。
2022年5月、委員会は当時の軍の発表とは異なる調査結果を発表した。A氏は上司と一緒にゴミを捨てにダムに行き、上司の指示で魚網を設けるために水に入ったが、事故に遭遇した。部隊の最年少だったA氏は前日の夜間勤務を終えて退勤できていない状態だった。しかし、軍は捜査記録を偽造し、A氏の個人的な過ちによる事故として処理した。
国防省は2022年9月、委員会の真相究明結果を基にA氏の死を殉職と認めた。遺族は昨年10月、「軍の捜査機関が真実を隠蔽し、精神的苦痛を受け、A氏の保護登録も適時に申請できず、保護給付を受けられなかった」として国家を相手に損害賠償請求訴訟を提起した。
裁判部は、「A氏の両親は数十年間、息子の殉職事実自体を知らずに死亡し、残された遺族は死後37年経ってから知ることになった」とし、「彼らが極度の精神的苦痛を経験したことは明らかで、殉職に伴う手続きも踏まず、故人の貢献に対する報酬と敬意を受けられなかった」と指摘した。
裁判部は、A氏が死亡時に殉職した軍人と認められていた場合、遺族が受け取ったであろう年金などを考慮して賠償額を決定した。
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